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F氏の人生訓

 かつて一緒に仕事をした小さな会社の社長F氏は実に楽しい人だった。40才代で大企業をスピンアウトして今の会社を興した人だ。剛直な氏の話すことは、酒が入ろうとそうでなかろうと常に技術者や企業人としての人生訓だった。しかもその一つ一つが示唆に富み、いつも聞き手だった私は「なるほど・・・」と感心することしきりだった。メモしておいた内容を以下にいくつか記してみる。

1.爪楊枝1本にも最適な長さや尖り具合などシステム工学が盛り込まれている(つまり「もっと大掛かりな我々の設計する装置に魂がこもっていなくてどうする」ということだろうか)
2.仕事は人と出会うための道具だ。人と出会うために仕事をしていると思え。儲けは後から付いてくる
3.右肩上がりの成長が望めないなら先を広げろ
4.社員の中で課長以上の仕事をしている社員を課長にしろ。課長の中で部長以上の仕事をしている課長を部長にしろ
5.社内の点数で人を評価するな。社外の点数を重んじろ
6.石垣は三角、四角、など角張った大小の石で積み上がっている。みんな丸くて同じ大きさでは積み上がらない
7.天守閣だけでは城は落ちる。外堀などがなければ守れない
8.大きく飛べる鳥を小さなかごで飼うな。大きく仕上げたい盆栽を小さいうちから形を整えようとするな

 いかがだろうか。常にビジネス書を読んでいたF氏なのでその言葉全てが氏のオリジナルではないだろうが実に味わい深い人生訓、処世訓だ。
 その後F氏と一緒に仕事をする機会がなくなってしまったので久しく会っていないが、今度一度出かけて行って一杯飲みながら続きを聞きたいものだ。もちろん私など今でもひよ子扱いだろうが・・・Y.S.