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鬼カサゴ釣り

 3月1日日曜日、この冬初めての鬼カサゴ釣りに出かけた。これまで何度も計画したが、週末になると出張や荒天でなかなか海に出られることができなかった。
 午前6時の出船に間に合うように自宅を午前4時30分に出発した。このときには、ほんの少し雨が降っていた。目指すは伊東の宇佐美港、所要時間は30分。途中コンビニエンスストアで朝食としてのパンとジュースを買った。

 港に到着すると船の前にはすでに車が5台程停まっていた。横浜ナンバーや川崎ナンバーの車であり、首都圏からの乗船客である。私は船長の指示で左側の船尾の釣り座になった。釣り竿などの荷物を船に乗せ、準備をすませると船室に入り仮眠をとった。
 宇佐美港を出発した船は約1時間程で熱川温泉沖の海上に着いた。船室から出てカッパに着替え、釣りを始める準備をする。朝、港を出発したときより雨が強くなっていて、雨に濡れた手はすぐにかじかんでくる。いつもは船長の「始めていいですよ」という合図の前には準備は整っているのだが、今回は少し遅れた。

 仕掛けを海に落とし、おもりが海底に着くのを待つ。おもりが海底に着くとリールのカウンターは140m程を表示していた。すなわち、海底140mにいる魚を釣ろうというのである。鬼カサゴ釣りは、とにかくおもりが海底すれすれになるように維持しなければならない。当然、海底は平坦ではないため、その起伏に応じてリールから糸を出したり巻いたりする。

 魚のあたりがないと船長から「上げて」と指示があり、全員が仕掛けを巻き上げてくる。私のあたりは2回目に海に仕掛けを落としたときにあった。しかし、そのあたりはすぐにサメであることがわかった。サメのあたりはバンバンと強いものであり、あたりとしては下品である。
 海面近くまで上げられた仕掛けには、やはり予想通りサメが着いていた。このサメに私はがっかりはしない。むしろラッキーと考える。なぜならこれまで鬼カサゴ釣りに行って、鬼カサゴがよく釣れたときにはサメもよく釣れていたからである。サメすら釣れないときは、どうしようもないのである。

 気をよくして再び仕掛けを海に落とした。おもりが着底して少し待っていると、かすかなあたりがあった。少し竿先を持ち上げてみると、魚が食いついている感触が伝わった。リールを中速で巻き上げているときの魚の引き方は鬼カサゴであると確信させるものであった。仕掛けが海面近くまで来ると、仕掛けが隣の人と絡んでいたが、船の中乗りさんに対応してもらい、無事鬼カサゴを取り込むことができた。1.2㎏程の大きさである。大きさとしては満足である。実は、鬼カサゴはあまりに大きくなったものは、少し食感が落ちる。だから1㎏前後のものが釣れるとうれしいのである。

 「さあ、これからだ。今日は6匹釣るぞ」と意気込んだが後が続かない。結局、釣果としては最初の鬼カサゴ1匹とメバル1匹、ノド黒カサゴ3匹の超貧果であった。釣れた鬼カサゴは、三島広小路の行きつけの寿司屋に持ち込み、刺身、にぎり寿司、湯豆腐などに料理をしてもらい、妻と十分に堪能した。

 翌日、私が乗船した船宿のホームページには次のようなコメントが記載されていた。「3月1日、今日の根魚五目は今世紀最悪???」 Y.F.